FXでおすすめの通貨ペアはどれ?初心者におすすめの通貨ペアと選び方を解説

FX取引の基礎ともいえる「通貨ペア」。FXで通貨を売買する際には、必ず2つの通貨をペアで取引します。通貨にはそれぞれに特徴があり、通貨ペアもそれぞれに特徴をもっています。安定して利益を得るには、自分に合った通貨ペアを取引することが大切です。

一方で通貨ペアの種類は豊富に存在していることから、「どの通貨を選べばよいのか分からない」という方もいるでしょう。そこでこの記事では、通貨ペアの概要や初心者におすすめの通貨ペア、取引スタイルごとの選び方を解説します。

また、おすすめのFX口座も紹介していくので、口座選びで迷っている人は参考にしてください。

目次

FX初心者におすすめの通貨ペア【2025年最新】

FXでは、通貨によって取扱いの難易度が異なります。米ドルや日本円のような認知度の高い通貨であれば、情報も多いため、初心者でも扱いやすいといえるでしょう。一方でスウェーデンクローナのように、あまり馴染みのないマイナー通貨の場合には、情報を収集するのさえ容易ではありません。

そのため取引に慣れていない初心者が、扱いやすいとはいえないでしょう。初心者の方は、取引に慣れるまで、扱いやすいとされる通貨ペアを選ぶことが大切です。FX初心者におすすめの通貨ペアとしては、以下のようなものが挙げられます。

米ドル/円

米ドル/円は、国内の取引高で圧倒的なシェア率を誇る通貨ペアです。一般社団法人金融先物業協会が公表している「通貨ペア別取引金額」によると、国内シェア率は58%を超えていることが分かりました(※1)。

取引量に比例して、米ドル/円は情報収集のしさすさが特徴です。投資家のなかには、SNSなどで情報を発信する方もおり、利用すれば気軽に情報を得られます。

またほとんどのFX会社は他の通貨より、米ドル/円のスプレッドを狭く設定している傾向。以下は、主要なFX会社の米ドル/円と他通貨のスプレッドを比較したものです。

FX会社米ドル/円ユーロ/円豪ドル/円
GMOクリック証券0.2銭
※原則固定
0.5銭
※原則固定
0.6銭
※原則固定
松井証券 MATSUI FX0.2~1.6銭0.5~1.5銭0.7銭
外為どっとコム0.2銭
※原則固定(例外あり)
※キャンペーンスプレッドを含む・詳細は公式HPをご確認ください。
0.4銭
※原則固定(例外あり)
※キャンペーンスプレッドを含む・詳細は公式HPをご確認ください。
0.5銭
※原則固定(例外あり)
※キャンペーンスプレッドを含む・詳細は公式HPをご確認ください。

ユーロ/円

ユーロ/円は、値動きが安定していることが特徴の通貨ペア。取引量も多く、スプレッドが狭めに設定されているため、米ドル/円以外に日本円と組み合わせの通貨ペアを探している方におすすめです。ユーロは米ドルに次いで、世界で2番目に取引シェア率が高い通貨。

ユーロ/円は流通量が多く、規則的な値動きでトレンドが出やすいとされる通貨です。ユーロはヨーロッパのさまざまな国で使用される通貨ですが、なかでもGDPが高いドイツやイタリア、フランスなどの情勢が値動きに影響を与えやすいとされます。

また、ユーロは複数の国で使用されていることから、値動きに関する情報も豊富です。特に上記の国や日本の経済情報を把握しておけば、初心者でも予測しやすく扱いやすい通貨といえるでしょう。

なお、ボラティリティは小さめですが、日本時間の16時前後はロンドン市場での取引が活発。値動きも活発になる傾向にあるため、利益を狙うときにはおすすめといえるでしょう。

豪ドル/円

豪ドル/円は、オーストラリアのドルと日本円の通貨を合わせた通貨ペアです。豪ドルは、世界5位の取引量を誇る通貨。BISがおこなった調査によると、豪ドルは取引量のシェアで2010年以降世界5位を維持しています。

豪ドルは2008年までは7.25%と高い政策金利が魅力でしたが、近年では金利も下がっており、為替差益による利益を狙うのが主流です。為替差益とは、為替レートが変動することにより発生する利益のこと。

豪ドルの変動率は米ドルに比べて大きいとされており、利益を狙いやすいといえます。新興国通貨のような急変動もあまり見られず、バランスの取れた通貨であるため、FX初心者にもおすすめの通貨です。

なお、オーストラリアは資源国としても有名な国。外務省の調査によると輸出品の32.0%が鉄鉱石、12.0%は石炭、10.0%を天然ガスで占めています。資源国通貨の値動きには、資源の動向が大きな影響を与えるため、上記の資源の動向には注視しておきましょう。

また豪ドルは、中国経済の影響を受けやすいことが特徴です。オーストラリアの輸出・輸入は中国が主要取引先となっており、中国経済とも深い結びつきがあります。値動きの予想をおこなう際は、中国経済の動向もチェックしておきましょう。

カナダドル/円

カナダドル/円は、カナダのドルと日本円を組み合わせた通貨ペアです。カナダはベネズエラとサウジアラビアに次いで、世界第3位の原油埋蔵量を誇る国。原油の動向と通貨の値動きは密接に関係していることから、カナダドルは原油価格に影響を受けやすいことが特徴です。

実際、ウクライナ戦争前の原油価格は100ドルを超えていませんでしたが、ウクライナ戦争が始まってからは100ドル超えの水準を維持。投資家からは、更なる原油価格の上昇によるカナダドルの値上がりにも期待されています。

このようにカナダドルは、原油価格と値動きが連動する形となっています。原油の動向を把握しておけば値動きの要因を探りやすいため、初心者でも値動きの予想がしやすい通貨といえるでしょう。

ユーロ/米ドル

ユーロ/米ドルは、世界において取引シェア率が1位の「米ドル」、2位の「ユーロ」を組み合わせた通貨ペア。日本ではあまり馴染みがありませんが、世界では最も取引されている通貨ペアです。

流通量が多いことから需要と供給のバランスがとれており、値動きは安定している傾向。急激な値動きが起きることもあまりありません。比較的緩やかな値動きであるため、初心者でも扱いやすい通貨ペアといえるでしょう。

またユーロ/米ドルもユーロ/円と同様に、ロンドン市場が開く日本時間の16時前後から、取引が活発になることが特徴です。ロンドン市場が開いてからは、値動きも活発になるため、この時間帯は相場を注視しておきましょう。

なお、ユーロ/米ドルもスプレッドが狭めに設定されていることが多く、取引コストを抑えたい方にもおすすめ。スワップポイントも比較的高めの水準となっているため、スワップポイント狙いの運用にも向いています。

豪ドル/米ドル

豪ドル/米ドルは、多くの投資家から人気の通貨ペアです。外国為替取引では、一日の取引量が全体の5.1%を占めています(※1)。取引量が多いため、値動きも比較的安定していることが特徴です。

ただし長期的な視点で見ると値動きは緩やかですが、短中期的なスパンではやや激しい値動きをすることもあります。そのためデイトレードやスキャルピングなど、短期的な取引にも向いているといえるでしょう。

またオーストラリアは、日本との時差が少なく、リアルタイムで情報を入手できるのもポイント。日本時間と重なる時間帯も多いことから、日中は東京市場で取引がさかんにおこなわれています。

日本時間の夜中になると、ニューヨーク市場で取引が活発化。このように豪ドル/米ドルは、1日を通して活発に取引される通貨です。豪ドル・米ドル共に情報量が多いため、初心者でも相場の分析や予想がしやすい通貨ペアといえます。

米ドル/人民元

米ドル/人民元は、外国為替取引で1日の取引量が全体の6.6%を占める通貨ペアです。人民元はマイナー通貨の1種ですが、近年では信用性が高まっている通貨。中国は2010年に国内総生産率で世界第2位となって以来、世界でも有数の経済大国となりました。

企業における時価総額の世界ランキングでは、上位10以内に中国の企業2社がランクインしているなど、実力のある企業も存在。経済力の高さも世界的に認知されていることから、人民元は2016年に国際通貨資金(IMF)が定めた特別引出権(SDR)に組み込まれました。

特別引出権(SDR)は、加盟国の準備資産を保管する手段を定めたもので、人民元が国際通貨に認定されたことを意味します。国際通貨となったことで信用度が高まっており、多くの投資家から注目されています。実際に、人民元の取引量は2019年の4.1%から2022年では6.6%となっており、通貨を購入する投資家も増えています。

米ドル/人民元は、世界でも有数の経済大国の通貨ペアであることから、投資家からの注目度も高い通貨です。報量も豊富になってきているため、情報収集もしやすく、初心者でも扱いやすい通貨といえるでしょう。

米ドル/スイスフラン

米ドル/スイスフランは、外国為替取引で1日の取引量は全体の3.9%を占めている通貨ペアです(※1)。スイスフランは、スイスとリヒテンシュタインの通貨。スイスは、第二次世界大戦に参戦しておらず、およそ50年に渡って紛争を起こしていない国として知られています。

永世中立国とも呼ばれており、世界的な経済動向に巻き込まれにくく、通貨の値動きも安定している傾向。そのため地域紛争やテロが発生した際に、安全資産として購入されている通貨のひとつです。このようにスイスフランは、世界的にも信頼性のある通貨といえるでしょう。

米ドル/スイスフランは、2011年から月単位で長いレンジ相場が続いており、小さい値動きが特徴です。

ちなみに米ドル/スイスフランは、投資家から「スウィッシー」の愛称で呼ばれています。スイスの金融システムは安全性が高いと認識されており、投資家からも長年に渡り人気を集めてきました。情報も豊富に出回っているため、分析もしやすいといえます。

トルコリラ/円

トルコリラ/円は、スワップポイントの高さが魅力の通貨ペアです。トルコは政策金利が高く、2022年の12月時点の政策金利は9.00%となっています。ピーク時には、24.00%と政策金利が高い国のなかでもトップクラスの高金利だったことも。

現在は当時と比べて低くなっているものの、今もなお高金利をキープしています。

トルコリラ/円は、スワップポイント狙いの運用がおすすめポイントです。円は低金利通貨として有名な通貨であり、現在の政策金利は-0.10%。トルコリラ/円を保有しておけば、差額の9.10%分のスワップポイントを毎日得られます。

スワップポイントは、確実に利益を得られるため、相場の予想に慣れていない方は取引を検討してみてもよいでしょう。

ボラティリティが高い通貨ペア5選

通貨ペアのなかには、ボラティリティの高いものも存在します。ボラティリティが高い通貨ペアは、ハイリスク・ハイリターンなことが特徴です。予想に反すると損失は大きいですが、予想通りの値動きをすれば値幅が大きい分、得られる利益も大きくなります。

ただし損失が膨らむリスクもあるため、保有する通貨ペアに関しては、特徴を把握しておくことが必要です。ボラティリティが高いおすすめの通貨ペアには、以下のようなものがあります。

英ポンド/円

英ポンド/円は、値動きの激しさが人気を集める通貨ペアです。英ポンドの取引量は世界で4番目に多く、「悪魔の通貨」と呼ばれるほどボラティリティの高い通貨。英ポンドはイギリスのみで使用されているため、流動性が低く、値動きの変動が激しいことが特徴です。

価格が安定している通貨の場合、1日の値動きで1円動いただけでも大きな値動きといえます。対して英ポンドは1日あたり3円~4円動くことも珍しくありません。過去には、10円という大きな値動きを記録したこともあります。

なお、英ポンドは取引量も多いことから、情報収集をしやすい点がポイントです。さまざまな角度から分析ができるため、ボラティリティが大きいマイナー通貨と比べ、相場の予想がしやすいでしょう。

英ポンド/米ドル

英ポンド/米ドルも、ボラティリティの高い通貨ペアです。1回の取引で大きな利益を狙えるため、短期的な取引を得意とするトレーダーから人気を集めています。また英ポンド/米ドルは、「米ドル/ユーロ」と「米ドル/円」に次いで、世界第3位の取引量を誇ります(※1)。取引量が多く、流動性が高いこともボラティリティが大きい要因のひとつです。

なお、英ポンド/米ドルはロンドン市場がオープンする日本時間の16時ころから、値動きが活発になる傾向です。ボラティリティが高まる傾向にあるため、短期間で利益を狙いたいときにはおすすめの時間帯といえます。

トルコリラ/円

トルコリラ/円も、ボラティリティが高い通貨のひとつです。スワップポイントが高い新興国通貨でもあるため、投機的な値動きが特徴的な通貨といえます。

しかしトルコリラは、政治的影響を受けやすい通貨です。トルコのエルドアン大統領は、独自の政策で有名。現在のトルコは、インフレ率が80%近くもある現状です。

トルコ中央銀行はインフレ率を低下させるために、金利の上昇を望んでいるものの、エルドアン大統領は利下げを敢行しています。

このような政治的要素を背景に、市場ではトルコ経済を不安視する見方が強く、トルコリラにも大きな影響を与えています。実際、エルドアン大統領の発言によって、トルコリラは大きく下落しました。

トルコリラを保有する際は、経済状況に加え、現職のエルドアン大統領の発言や動向にも注視しておきましょう。

南アフリカランド/円

南アフリカランド/円は、南アフリカのランドと日本円の通貨ペアです。南アフリカランドも新興国通貨となり、取引量が少ないため、ボラティリティが高い傾向にあります。加えて南アフリカは、金やプラチナの埋蔵量が世界でもトップクラスです。

そのため金やプラチナの価格が、通貨にも大きな影響を与えます。たとえば金の価格が下がると、産出国である南アフリカの収入減少が予測されることから、南アフリカランドも下落する傾向です。保有する際は、金やプラチナに関する情報を常に収集しておきましょう。

メキシコペソ/円

メキシコペソ/円も、ボラティリティが高い通貨です。メキシコペソは原油などの資源が豊かで、中南米では2位の経済規模を誇ります。特に原油との結びつきが強く、原油価格の動向がメキシコペソに大きく影響を及ぼすため、原油の動向には注意が必要です。

またメキシコはアメリカと隣国関係にあり、アメリカの政策や情勢の影響を受けやすい国。過去にはアメリカの政策によって、メキシコペソが暴落したこともあります。メキシコペソ/円を保有するときは、原油価格とアメリカの情勢に注視しましょう。

FXの通貨ペアとは?

通貨ペアとは、FXで取引をおこなう際に、売買する通貨の組み合わせのことです。FXでは異なる2ヶ国の通貨を売買するのが基本となるため、米ドルだけのように、1ヶ国のみの通貨を購入して売ることはできません。「米ドルを購入して、円を売る」というように、2つの通貨をペアとして取引をおこないます。

基軸通貨と決済通貨

FXの通貨ペアは、「(通貨名)/(通貨名)」と表記されているのが基本。左側に表記される通貨を「基軸通貨」、右側は「決済通貨」といいます。たとえば「米ドル/円」を購入した場合、「日本円を売り、米ドルを購入した」ということです。

通貨の分類

FXの通貨ペアは、「メジャー通貨」と「マイナー通貨」の大きく2種類に分けられます。

流通量が多く流動性の高いものをメジャー通貨、流通量が少なく流動性が低いものをマイナー通貨と呼ぶのが一般的です。

それぞれに明確な定義はありませんが、以下のように分類されています。

通貨の分類
  • メジャー通貨
     例)日本円・米ドル・英ポンド・豪ドル・ユーロ・スイスフラン など
  • マイナー通貨
     例)南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソ・ロシアルーブル など

メジャー通貨とマイナー通貨は、それぞれで特徴が異なるため、FXを始める前に理解しておきましょう。

メジャー通貨

特徴

メジャー通貨は、メジャーカレンシーとも呼ばれており、流動性が高いことが特徴です。流動性が高いと、相場で需要と供給のバランスがとれやすく、値動きが安定している傾向。またメジャー通貨のなかには、「世界三大通貨」と呼ばれる通貨があります。

世界三大通貨とは、米ドル・ユーロ・円です。この3通貨は流通量が多く、先進国の通貨であるため、経済状況に比例して値動きも安定しています。情報量も多く、取引しやすい通貨ペアであることから、三大通貨に絞って取引している投資家も少なくありません。

メリット

メジャー通貨は先進国の通貨が多く、経済情勢が安定していることから、値動きが安定していることがメリット。多くの投資家が取引をおこなうため、通貨の需要と供給のバランスがとれており、急激な価格の変動も起きにくいといえます。

予測不能な価格変動などのリスクも少なく、初心者には取引しやすい通貨であるといえるでしょう。

また取引量が多いため、情報収集のしやすさも特徴です。情報が多ければさまざまな角度から分析ができるため、初心者でも値動きの予測がしやすくなります。重要な出来事が起きた際にも、すぐに対応することが可能です。

なお、メジャー通貨は、スプレッドが狭めに設定されていることが一般的。特に「米ドル/円」は、0.2銭~0.4銭ほどの狭さを提供しているFX会社がよくみられます。スプレッドは取引ごとに発生するため、取引コストを抑えたい方にもおすすめです。

デメリット

メジャー通貨はボラティリティが小さく、一度の取引で大きな利益を狙いにくいことがデメリットです。先進国の通貨であるため経済が安定しており、ボラティリティが高い新興国通貨と比べると、大きな値動きは発生しにくい傾向。大きな出来事が起きた際でも、比較的緩やかに相場が変動するため、1回の取引で大きな利益を狙う場合には、取引量を増やす必要があります。

マイナー通貨

続いて、マイナー通貨です。マイナー通貨に分類される通貨には、以下のようなものが挙げられます。

特徴

マイナー通貨はマイナーカレンシー(Minor Currency)とも呼ばれており、流動性の低さとボラティリティが大きいことが特徴です。先進国の政策金利や景気変動があると、大きな影響を受けて相場が激しく変動することがよくあります。

特に主要な取引相手国の情勢や国内で大きな政変があると、相場に急激な変動が起きやすい傾向です。そのためリスクはありますが、1回の取引で大きな利益を狙いやすいといえます。

ただし全てのマイナー通貨が、ボラティリティが大きいわけではありません。価格の急激な変動を抑えるためにドルペック制やユーロペック制など、「固定相場制」を導入している通貨もあります。

固定相場制とは、各国政府間で為替レートを固定、もしくは維持しようとする制度です。たとえばドルペック制では、ドルの値動きに連動しやすいアジア圏の通貨の変動幅を抑制。制度を採用している人民元や香港ドルなどは、激しい値動きが起きにくくなっています。

メリット

マイナー通貨は、ほとんどが新興国通貨であるため、スワップポイントが高い傾向。特に南アフリカランド・メキシコペソ・トルコリラなどは、政策金利が高いことから、スワップポイント狙いで運用する投資家も多くいます。

スワップポイントは毎日受け取れるため、長期的に運用したいという方にも向いているでしょう。また、通貨の価格が安いため、少ない資金で運用できることもメリットです。南アフリカランドやメキシコペソなどであれば、最小取引単位の10万通貨を取引したとしても、70~80万円ほどの資金で投資を始められます。

デメリット

マイナー通貨は、ボラティリティが大きく、損失も膨らみやすいことがデメリットです。ボラティリティが大きいと1回の取引で大きな利益を狙える反面、マイナスが出たときの損失も大きくなります。通貨によっては情報量も少なく、予測を立てにくいため、保有するマイナー通貨の情報は積極的に収集することが大切です。

またマイナー通貨は、スプレッドが広めに設定されている傾向にあります。メジャー通貨の場合、基本的には0.3~0.5銭ほどで設定されていることが一般的。一方のマイナー通貨は、2.0~3.0銭ほどで設定されています。取引回数が多いほどコストがかかるため、デイトレードやスキャルピングには、やや不向きといえるでしょう。

FXで勝ちやすい通貨ペアの特徴

FXで利益を上げるためには、正確な相場の分析と予想が必要となりますが、初心者がはじめから実行するのは困難です。ただFXには、初心者でも扱いやすい通貨ペアが存在します。

利益を上げやすい通貨ペアの特徴をおさえておけば、初心者でも勝率をアップさせやすいでしょう。以下は、FXで勝ちやすい通貨ペアの特徴です。

流動性が高い通貨

流動性が高い通貨は情報量が多く、値動きも安定しているため、相場の分析と予想がしやすいといえます。特に世界三大通貨である米ドル・円・ユーロなどは、レンジ相場を形成しやすいのが特徴。値動きも緩やかで安定しているため、初心者でも予想がしやすいでしょう。

また流動性が高い通貨は、情報量が豊富。FX取引において、経済指標やイベントなどの情報の収集は、テクニカル分析・ファンダメンタル分析双方で重要なポイントです。できる限り多くの情報を入手することで、経済の流れを把握でき、相場の動向も読みやすくなります。相場の流れを掴むことができれば、勝率アップにつながるでしょう。

スプレッドが狭い通貨

スプレッドは、通貨ペアを売るときと買うときに発生する差のことで、取引時に発生する手数料のようなものです。「狭い・広い」で表され、狭いほど取引コストを抑えることができます。たとえば、米ドル/円のスプレッドが以下のようになっていたとします。

例)

売値:107.135

買値:107.131

売値から買値を引いたものがスプレッドとなり、例の場合だと107.135-107.131=0.4銭です。スプレッドは取引毎に発生するため、スプレッドの狭い通貨を中心に取引することで、より多くの利益を確保できます。多くの利益を残すことができれば、結果的には勝率アップにもつながるでしょう。

なお、スプレッドは経済指標の発表前後や突発的なイベントが開催時などに、変更されることがよくあります。スプレッドはFX会社によって異なるため、利用するFX会社のスプレッドは定期的に確認しておきましょう。

ボラティリティが高い通貨

ボラティリティが高い通貨も、勝ちやすい通貨といえます。予想通りの値動きになれば、1回の取引で大きな利益を得ることも可能です。ただしボラティリティが大きいということは、損失も大きくなるため、相場の的確な分析と予想が必須となります。

実際、ボラティリティが大きいことで知られる英ポンドでは、過去に「フラッシュクラッシュ」が起きたケースもあります。フラッシュクラッシュとは、通貨の価格が瞬間的に急落すること。英ポンドは2016年10月にフラッシュクラッシュが発生しており、数分間の間におよそ9%の急落を記録しました。

一方で相場を正確に予想し、大きな利益を定期的に得ている投資家も少なくありません。このように、ハイリスク・ハイリターンな点が、ボラティリティが高い通貨の魅力といえるでしょう。

FXの通貨ペアは一つに絞るべき?初心者向けの選び方

通貨ペアは、自分のトレードスタイルに適したものを選ぶことが大切です。スタイルに合った通貨を選ぶことで、利益も上げやすくなります。まずは、トレードスタイルごとの通貨ペアの選び方を知っておきましょう。

通貨ペアの選び方【デイトレード向け】

デイトレードとは、1日のうちに注文から決済までを完了させる取引手法のことです。スキャルピングに類似していますが、1回の取引に要する時間が異なります。デイトレードでは、スキャルピングより長い時間ポジションを保有するため、狙える値幅も大きく、1回の取引でより大きな利益を得ることが可能です。

また一日で取引を完了させるため、就寝中における為替変動のリスクを除外できます。ただしスキャルピングよりも大きな値動きを狙う分、損失も大きくなる点に注意が必要です。加えて1日のなかでトレードを繰り返すため、頻繁に相場をチェックしなければなりません。

デイトレードでおすすめの通貨は、スプレッドが狭い通貨です。取引回数が多くなるため、スプレッドが狭いほど取引コストを抑えられ、より多くの利益を確保できます。加えて、ボラティリティが高い通貨もおすすめです。

値動きが激しいということは、それだけ取引チャンスも多いということ。相場を把握し、的確に予想できれば、利益を積み上げていくことができます。なお、デイトレードはチャートをこまめに確認する必要があるため、仕事が忙しい方には、不向きなトレードスタイルといえるでしょう。

通貨ペアの選び方【スキャルピング向け】

スキャルピングとは、短期的な取引を繰り返すトレード手法です。基本的には0.1秒から1秒の間で注文を終えるため、一度に得られる利益は大きくありませんが、小さい利益を積み上げていくことで利益を増やしていくのが基本です。

ただスキャルピングでも、一度の取引量を増やすことで、大きな利益を狙うことは可能。大量の通貨を取引すれば、小さな値幅でも得られる利益は大きくなります。ただし予想が外れた場合、数秒間と瞬間的な時間で多大な損失を出すリスクもあるため注意が必要です。

スキャルピングをおこなう際は、値動きが安定している通貨がおすすめ。取引量が多い通貨であれば分析や予想もしやすいため、利益を積み上げやすくなるでしょう。以下は、取引量が多く、相場が安定している通貨ペアです。

スキャルピングにおすすめの通貨ペア
  • 米ドル/円(USD/JPY)
  • ユーロ/円(EUR/JPY)
  • 豪ドル/円(AUD/JPY) など

上記のようなメジャー通貨は取引量が多く、値動きも安定しています。世界情勢に動きがあった際でも、比較的大きな変動が起きにくい傾向です。大きな変動が起きる可能性も低いため、スキャルピングに向いているといえるでしょう。

またスキャルピングでは、特にスプレッドが重要なポイントです。場合によっては1日あたり100回以上の取引をおこなうため、スプレッドが利益に大きく影響します。

スキャルピングを検討する際は、スプレッドが狭いFX会社を選びましょう。

通貨ペアの選び方【長期・積立FX向け】

積立FXとは、指定した日にあらかじめ設定しておいた金額を、自動的に投資するサービスです。自分で取引する必要がなく、相場の分析・予測をしなくてよいため、FX初心者でも取り組みやすいといえます。

長期運用や積立FXの利用を検討するときは、流動性が高く、価格が安定した通貨の取引がおすすめです。ボラティリティが高い通貨の場合、値動きによっては、すぐにポジションを手放さなければならないこともあります。値動きが激しく、ポジションを長い期間保有していることが困難であるため、長期運用には向いていません。

値動きが安定している通貨であれば、すぐに手放さなければならないような事態は少ないため、ポジションを継続的に保有しやすいといえます。特に以下の通貨は、値動きが安定しているため、長期運用や積立FXにおすすめです。

積立FXにおすすめの通貨ペア
  • 米ドル/円(USD/JPY)
  • ユーロ/円(EUR/JPY)
  • 豪ドル/円(AUD/JPY) など

また長期運用や積立FXでは、スワップポイント狙いも検討したい取引手法。スワップポイントは通貨を保有し続ける限り受け取れるため、利益をコツコツ積み上げることができます。

スワップポイント狙いで運用する際は、スワップポイントの高い通貨を選ぶことが重要です。スワップポイントが高い通貨としては、以下のようなものが挙げられます。

スワップポイントにおすすめの通貨ペア
  • トルコリラ(TRY)
  • メキシコペソ(MXN)
  • 南アフリカランド(ZAR) など

ただし上記の通貨は、新興国通貨であるため、ボラティリティも高い傾向です。急激な価格変動が起きやすいことから、こまめに情報収集や値動きの確認をしましょう。

なお、積立FXは、FX会社によって対応していない場合もあります。取り扱い通貨もFX会社によって異なるため、保有したい通貨については、取り扱いがあるかあらかじめ確認しておきましょう。

通貨ペアが豊富なおすすめなFX口座3選

FX会社には、トレードスタイルに応じておすすめがあります。トレードスタイルに適したFX口座を利用することで、利益を上げやすくなるでしょう。

デイトレードにおすすめ:GMOクリック証券「FXネオ」

https://www.click-sec.com/corp/guide/fxneo/

デイトレードをおこなう際は、GMOクリック証券が提供する「FXネオ」がおすすめです。取引ツールが使いやすく、PC向け高機能取引ツール「はっちゅう君FXプラス」は、投資家からも高い評価を得ています。

「はっちゅう君FXプラス」には、豊富なテクニカル指標が搭載されているため、細かいチャート分析が可能です。細かな相場の分析が重要となるデイトレードでは、高機能で使いやすい取引ツールを使用することで、分析や予測がしやすくなるでしょう。

他にもプラチナチャートなど高性能なツールを使用できるため、特におすすめです。

スキャルピングにおすすめ:LION FX

https://hirose-fx.co.jp/

スキャルピングを検討するときは、ヒロセ通商の「LION FX」がおすすめです。スキャルピングはサーバーへの負荷も大きいことから、禁止しているFX会社も少なくありません。しかしLION FXでは、スキャルピングが公認です。

 ヒロセ通商では、約定スピード最速0.001秒の取引環境を実現。動作が遅れることがないため、瞬間的な取引にも対応が可能です。取り扱い通貨ペアも豊富で、短期的な取引環境が整っているため、スキャルピングに向いているFX取引サービスといえるでしょう。

積立FXにおすすめ:SBI FXトレード

https://www.sbifxt.co.jp/

積立FXの利用を検討する際は、SBIホールディングス株式会社が提供する「SBI FXトレード」がおすすめです。SBI FXトレードでは、積立FXの専用サービスを提供しており、9種類の通貨を1通貨単位で積み立てが可能。SBI FXトレードの基本情報については、以下のとおりです。

積立FXでは、「定期購入」に設定することで、あらかじめ設定した期間と数値で、定期的に自動購入がおこなわれます。自分で為替レートの確認や分析をおこなう必要がないため、取引する時間がない方でも充実したFX取引ができるでしょう。

また住信SBIネット銀行からの自動入金サービスを併用することで、入金から買付のすべてを自動化することもできます。積立FXの運用実績も豊富なため、初めて積立FXにチャレンジする方にもおすすめです。

まとめ

通貨ペアは、自分のトレードスタイルに応じて選ぶことが大切です。通貨ペアには、さまざまな種類がありますが、それぞれで特徴が異なります。値動きが安定している通貨ペアは予想がしやすい反面、一度の取引で大きな利益を狙うのは困難です。

一方でボラティリティが高い通貨ペアは値動きが激しい分、一度の取引で大きな利益を狙えますが、予想と反したときの損失も大きくなります。FXでは投資家ごとに自分なりのトレードスタイルがあり、合わない通貨を選んでしまうと、余計なコストが発生したり、大きな損失を被ったりすることになりかねません。

特に初心者のうちは取引に慣れていないため、通貨ペアを絞って運用することがおすすめです。慣れないうちから複数の通貨ペアを保有しても、情報取集や分析がうまくいかず、利益を出すことは難しいでしょう。

初心者の方であれば、いきなり大きな利益を狙うのではなく、まずは自分にマッチしたトレードスタイルを確立させることが重要です。トレードスタイルを確立したあとに、取り扱う通貨ペアも増やしていきましょう。

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